« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

2007年10月

2007年10月24日 (水)

紫式部

昨日(9月23日)は十三夜だったそうで、きれいな月が見えました。

何度かコメントいただいているnmzkさんの撮ったすばらしい写真を使わせていただくことになりましたので、月が出てくる和歌です。

「めぐりあひて見しやそれとも分かぬまに 雲隠れにし夜半(よは)の月影」紫式部、新古今集・百人一首

「めぐりあひて」なんていう言い方で、さすが紫式部はロマンチック・・・なんて初めは思っていましたが、めぐり合ったのは幼なじみの女友達で、会ったと思ったら月が隠れるようにすぐにいってしまって寂しい。という歌だそうです。

でも紫式部というと源氏物語のイメージが強くて、なんとなくロマンチックな歌に思えてしまいます。

夕べの月は雲には隠れなかったようですが、秋の月はいいものです。

Photo_2

雲に隠れた月も提供していただきました。こちらのほうがこの歌にはピッタリです。

Photo_4

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年10月17日 (水)

コスモス

夕暮れからちょっと離れますが、あちこちでコスモスの花が咲いていますね。コスモスの花を見ると思い出す歌があります。古典ではありませんが、すばらしい和歌だと思います。

「小さきは小さきままに 折れたるは折れたるままに コスモスの花咲く」曻地(しょうち)三郎

曻地先生は福岡県にある障害児施設「しいのみ学園」の園長をされています。3年ほど前に先生の講演を聞きとても感動しました。1906年生まれです。

先生自身のお子様も障害児で、子供たちへのやさしく力強い愛情がそのままこの歌にはあらわれています。どことなく万葉集のいぶきが感じられますよね。

Photo

写真はSNS「まだまだ現役」のLukeさん撮影のものです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年10月15日 (月)

秋の夕暮れ 2

三夕(せき)の歌の2つ目です。

「心なき身にもあわれは知られけり 鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮れ」新古今集・西行法師

やはり秋は夕暮れ。ということで西行法師の歌です。声に出して読んでみると実にいい感じで読めます。

夕暮れの沢から鴫が飛び立っていく。秋の空にぴったりのいい情景ですよね。沢に鴫が立っているとも取れるのですが、私は飛び立つのほうが合っているように思います。心なきは趣を理解しないとか言う意味ですが、武士だった西行が思い立って出家したことを思うと、この心なきは何か深い意味がありそうです。どうとらえてもすばらしい歌です。

シギをウィキペディアで調べたら写真がありましたので、ちょっとお借りしました。シギが沢に立っています。Photo

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年10月 8日 (月)

浜木綿

浜木綿はハマユウなのですね!恥ずかしながら今日知りました。

今日は何があったかというと富山県高岡市で万葉集の講演会があり、それに行ってきました。万葉集研究で知られる「犬養 孝」先生をとりあげた東京大学名誉教授の稲岡耕二先生の講演でした。

その中で紹介されたのが柿本人麻呂の歌

「み熊野の浦の浜木綿百重なす心は念へど直に逢わぬかも」

「みくまののうらのはまゆうももえなす こころはもえどただにあわぬかも」

熊野ですから和歌山県の海岸、はまゆうが幾重にも重なっているように私の心も幾重にもあなたのことを思っているけれど、直接逢うことはできないのだ。という意味です。この歌を稲岡先生が朗誦するとまたいいのです。本当の万葉集に触れたような気がしました。

それで犬養先生と今日の稲岡先生は何を問題にしたのかというと、はまゆうが幾重にも重なっているのは花びらが重なっているのか、葉が重なっているのかということで、結局お二人の研究では花ではなく葉であると、何故かというと・・・説明に1時間かかります。

とにかく本当にいい講演でした。この人麻呂の歌、これまで知りませんでしたが、すばらしい歌です。

はまゆうの写真、宮崎県の観光のページにありましたので、つけておきます。

Hamayu

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2007年10月 2日 (火)

秋の夕暮れ

急に涼しくなってきました。

秋は何かさびしいですね。でもこのさびしさもいいんですよね。

「さびしさはその色としもなかりけり 槇立つ山の秋の夕暮れ」 寂蓮、新古今和歌集

槇(まき)は杉や檜などの常緑樹で紅葉もなくほんとにさびしい景色を歌っています。新古今集の三夕(せき)の歌のひとつです。道真の紅葉の歌も紹介しましたが、この歌は全く色のない墨絵のような世界です。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »