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2008年1月

2008年1月30日 (水)

雪を題材にした和歌にも美しいものがたくさんあります。

「あさぼらけありあけの月とみるまでに よしのの里にふれるしら雪」坂上これのり、古今集、百人一首

「あさぼらけ」というのは、夜がほのかに明るんでくる時刻です。もうすこしすると「あけぼの」になります。枕草子には「春はあけぼの」とありますが、あけぼのの前のほんとにほのかに明るくなったかなという時刻です。そんな時刻に見える月が「ありあけの月」ですが、月あかりかと思って外を見てみると雪が降っていた、という幻想的な世界です。吉野の里でこんな雪を見てみたいものです。

2008年1月15日 (火)

初春の

今日は北陸地方にしては珍しく晴天で、気持ちも明るくなります。白山があまりにもきれいに見えたので写真を撮ってみました。

「初春の初子の今日の玉箒(たまばはき)手に執るからにゆらく玉の緒」大伴家持

その年の初めての子の日には、天皇より玉箒を賜るというおめでたい儀式があり、その日にあたってつくるようにという要請があり、作られた歌です。

玉箒というのは草を束ねて作った箒にガラス玉等の装飾品をつけたもので、正倉院にも残っているそうです。

しかし、この不穏の時期(758年)にあって家持は歌だけを送りこの儀式を大蔵の仕事が忙しいといって欠席しています。このときの天皇は孝謙天皇、内相は藤原仲麻呂。藤原氏と対立していた家持は、ささやかな抵抗をしたのではないかと・・・

今年はいい年にと願っておりますが、いやな事件が毎日のように続いています。こんな時にこそ声に出して読んでみたくなるようないい歌です。

Hakusan2

2008年1月 1日 (火)

新しき年

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

「新(あらた)しき年の初めの初春の 今日ふる雪の いや頻(し)け吉事(よごと)」大伴家持

今日ふる雪が重なって積もるように、吉事が続いてほしいという、おめでたい歌です。

これが万葉集の最後の歌であり、家持の最後の歌でもあります。
一見なにげない歌に思えますが、藤原氏全盛の時代にあって、数年前に大伴氏は奈良麻呂の変に加担したとして、何人もが罪に問われて悲惨な目にあっています。このような不穏な時代がなんとか終わってほしいという家持の願いがこめられているように思えます。
この歌で家持は万葉集をしめくくり、和歌の舞台から去りました。家持はこの後20年間生きているのですが、全く和歌は残っていません。

今の時代も不穏な事件が続きますが、いい年になってほしいという願いもこめて年の初めの歌としてこの歌を紹介したいと思います。

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