慈円
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今日起きてみると外は真っ白。いよいよ本格的な冬がやってきました。
こんな北陸の冬でも、晴れ間に夜空を見上げると時折、びっくりするほど沢山の星がきらめいて見えることがあります。
家持もそんな星空と白く積もった雪をみて、この歌を読んだのではないでしょうか。
「かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける」 大伴家持
“かささぎの渡した橋のように夜空には白く輝く星が光り、地上には白い雪が橋をかけている、夜も更けてきたのだなぁ。”
かささぎの渡せる橋というのは中国の七夕伝説で一年に一度、かささぎが羽をならべて橋を作って、天の川を渡るというものです。
なんとも雄大な歌ですね。星がいっぱい見える冬の夜空をみていると、いつもこの歌が浮かびます。
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源氏物語の最後の帖は「夢浮橋」ですが、夢の中の浮橋のように実体がなくはかない、目が覚めれば消えてなくなっている。
これが結局、源氏物語のテーマだったような気がします。
そこで思い浮かぶのが新古今集の定家の歌
「春の夜の夢の浮橋とだえして 峰に別るる横雲の空」 藤原定家
これは大好きな歌なので、以前にも紹介していますが、
すべては春の夜の夢のようにはかない。目が覚めると峰にかかっていた雲がフッと消えていくという幽玄な歌です。
定家は源氏物語を最後まで読んでこの歌を作ったのでしょう。
私の源氏物語のイメージは定家の春の夜の夢とピッタリ重なります。
これまで紹介した歌は約80首、源氏物語の中には800首ほどのうたがありますから、まだまだいい歌がたくさんあります。
これからも少しづつ紹介していくつもりですので、よかったらまたお付き合いください。
しばらくは源氏物語にこだわらず、いろんな和歌に触れていきたいと思います。
これまで紹介した和歌はホームページに一覧にしてありますのでご覧下さい。
まだ途中ですが、私なりの訳もつけています。
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浮舟が小野の里にいるということを聞きつけた薫は、浮舟の弟の小君に文を持たせ浮舟のところへやります。小君は死んだはずの姉が生きていたので喜んで向かいますが、浮舟は弟にも会おうとせず、文も見ようとしません。
浮舟の記憶はある程度戻ったようですが、もとに戻ることをひたすら拒み、仏道の道に生きる決意をします。
「法の師と尋ぬる道をしるべにて 思はぬ山に踏み惑ふかな」 薫
“僧都のことを仏道の師とあおいできましたが 思わぬ恋の道に踏み惑うことになってしまいました”
一時は仏道の道を歩もうとした薫ですが、どう間違ったのか女君の後を追いかけては、ふらふらしているという有様になってしまいました。
最後には浮舟には別の男がいて隠しているのではないかと疑います。
そして長い長い物語はここで終わります。
死のうとして死にきれず出家して仏道の道に入る浮舟と、
浮舟に会おうとする薫、
みなさんはこの源氏物語の結末をどう思われますか、わたしはこの二人に、栄華を極めた光源氏や他の女君と共にやりきれない空しさ寂しさを感じます。
結局紫式部が言いたかったのも、このあたりなのかと思いますが、私にはうまく表現する力量がありません。
夢の浮橋というタイトルがすべてを現しているようにも思われます。
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薫が隠してしまった浮舟の居所を匂宮は嗅ぎつけ、薫のふりをして宇治の浮舟のもとへ忍び込みます。強引に一夜を共にしてしまいます。
薫ではないと気付いた浮舟ですが、この歌のやり取りでもわかるように匂宮を愛してしまいます。
「長き世を頼めてもなほ悲しきは ただ明日知らぬ命なりけり」 匂宮
“あなたとの行く末を誓っても 悲しいのは明日の命もわからないことです。”
「心をば嘆かざらまし命のみ 定めなき世と思はましかば」 浮舟
“わからないのが命だけならば なにも悲しんだりはいたしません。”
薫と匂宮の間で悩みぬいた浮舟はついに自殺を決意します。
今日も冬の北陸とは思えぬよい天気です。
窓から裏の畑の方を見てみるとキジのカップルが仲良く歩いていました。
人間の世界ではなぜこの鳥のようにうまくいかないのか、などと考えてしまいます。
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大君が亡くなり悲嘆にくれていた薫は、宇治で浮舟の姿を垣間見ます。
また垣間見から悲劇がはじまります。
最後のヒロインは浮舟。
浮舟は故八宮の娘なのですが、正妻の子ではなかったのでこれまで会うことはなかったのですが、なんとその姿は今は亡き大君にそっくりで、薫は一目見ただけで心を引かれてしまいます。
「かほ鳥の声もききしにかよふやと しげみを分けてけふぞ尋ぬる」 薫
“かほ鳥の声も以前聞いたことがあるように思えて 茂みをかき分けて訪ねてきました”
“かお鳥”とは、どんな鳥なのかよくわからないのですが、辞書には春になく美しい鳥、とあります。浮舟の顔があまりにも美しいのでこういう鳥にたとえたのでしょう。
薫は、きまじめ・堅物などといわれる性格だけに、一度思いつめると止まりません。
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いつもイラストを使わせていただいている「和歌の総角」のしまめぐみさん作の年賀状イラストが、主婦と生活社刊『印刷するだけ年賀状2009(別冊すてきな奥さん)』に載っています。
もちろん私も買いました。印刷するだけですてきな年賀状が出来ます。
源氏物語のイラストはありませんが・・・
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