夢の浮橋
源氏物語の最後の帖は「夢浮橋」ですが、夢の中の浮橋のように実体がなくはかない、目が覚めれば消えてなくなっている。
これが結局、源氏物語のテーマだったような気がします。
そこで思い浮かぶのが新古今集の定家の歌
「春の夜の夢の浮橋とだえして 峰に別るる横雲の空」 藤原定家
これは大好きな歌なので、以前にも紹介していますが、
すべては春の夜の夢のようにはかない。目が覚めると峰にかかっていた雲がフッと消えていくという幽玄な歌です。
定家は源氏物語を最後まで読んでこの歌を作ったのでしょう。
私の源氏物語のイメージは定家の春の夜の夢とピッタリ重なります。
これまで紹介した歌は約80首、源氏物語の中には800首ほどのうたがありますから、まだまだいい歌がたくさんあります。
これからも少しづつ紹介していくつもりですので、よかったらまたお付き合いください。
しばらくは源氏物語にこだわらず、いろんな和歌に触れていきたいと思います。
これまで紹介した和歌はホームページに一覧にしてありますのでご覧下さい。
まだ途中ですが、私なりの訳もつけています。
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コメント
今年また春夜の夢と過ぎゆけり源氏語りも中断のまま 丹人
kazu殿
今年は心あたたまる御厚誼を賜り
まことうれしく存じをり候
源氏二千年にあやかりて
読破せんとするも
わずか6帖にて中断なれば
情けなくおもふばかりなり
kazu殿の武路具を拝しては
おおいなる刺激いただきて
学ぶことばかりなるも
いとうれし
美しき年の瀬ならんことを・・・
頓首
投稿: あかひと | 2008年12月26日 (金) 06時35分
あかひと様、ありがとうございます。
あかひとさんの記事のボリュームで54帖書くと一冊の本になりますね。楽しみにしています。
私の場合は和歌だけをかるーく読み飛ばしていますのでたいしたもんではありません。
投稿: kazu | 2008年12月26日 (金) 09時36分
続きを期待していますよ。
投稿: 豪腕プチリンコ | 2008年12月26日 (金) 11時36分
暮れも押し詰まってきましたね。私も定家の「夢の浮橋」の歌、大好きです。
ずっと宇治十帖の薫の君や浮舟さんの記事、拝見してきました。 楽しい! 少しこのあたり読み返しましたよ。 私は女性だからよくわからないのですが、浮舟さんって、男性に人気があるんですか?
一月になったら、源氏関連を少し書こうかな? 私は変なことに興味があるほうなので・・・変な記事になりそうですが・・・
良い新年をお迎えください。
投稿: サファイア | 2008年12月29日 (月) 23時13分
サファイアさん、コメントありがとうございます。
いつも読んでくださってありがとうございます。
霧につつまれたような宇治十帖の世界がすきで、何度も宇治へ出かけました。か細いけど芯は強い浮舟、人気はありそうですね。最後のヒロインですから。
サファイアさんのブログもすてきですね。源氏物語の記事を書いたらぜひお知らせくださいね。
投稿: kazu | 2008年12月30日 (火) 10時05分