比叡山
親鸞、慈円などは比叡山から出てきた僧です。比叡山といえば開祖はご存じ伝教大師最澄ですね。
この最澄も素晴らしい歌を詠んでいます。
仏教を基にした歌にはいい歌がたくさんあります。
新古今集に載っている有名な歌です。
「阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)の仏たち わが立つ杣(そま)に冥加(みやうが)あらせたまへ」 伝教大師
この訳は私の拙訳より大岡信さんの訳をお借りします。
“アノクタラサンミャクサンボダイ
み仏たちよ
精魂こめてねがいたてまつる
私の立つこの比叡の杣山に
広大無辺の加護あらせたまえ”
と、こんな意味です。和歌もすばらしいですが、大岡さんの訳もすばらしいですね。
伝教大師が比叡山の根本中堂建立の時に読んだ歌です。
杣とは材木を切り出す山のことで、慈円の歌にも出てきますね。
先日紹介した慈円の歌は、この歌をもとにしています。
これまでに紹介した歌を見てもらうためにサイドバーに「おすすめの和歌」を作ってみました。一週間ぐらいで変えていくつもりです。


| 固定リンク
コメント
57577の韻律からはずれることを全く気にしていない伝教大師の歌いっぷりも見事ですが、それを気にせずに選録した定家の判断も見事ですね。
確かに和歌の定型から大きく逸脱している歌ですが、不思議に韻律を感じさせるのは上二句のおかげでしょうか。
投稿: gatayan | 2009年1月21日 (水) 19時27分
北海道新聞で「親鸞」(五木寛之著)が連載されています。毎日楽しみにしています。
投稿: 豪腕プチリンコ | 2009年1月21日 (水) 21時00分
>gatayanさん
比叡山の根本中堂へ何回か行きましたが、あの千年灯っている不滅の法灯を見ると今もこの最澄の願いがひしひしと感じられます。
投稿: kazu | 2009年1月22日 (木) 09時40分
>プチリンコさん
そちらでも連載されてましたか、地方でも結構読めるようですね。中日なので東京新聞でも読めると思いますが。
投稿: kazu | 2009年1月22日 (木) 09時42分