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2009年9月27日 (日)

参議篁:流罪になった歌人たち

百人一首から参議篁(さんぎたかむら)の歌です。
参議というのは位で、本名は小野篁(おののたかむら)です。

「わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ海人のつり舟」 参議篁
“大海原へ島から島へ漕ぎ渡り潔く船出して行ったと伝えておくれ 釣り舟の漁師たちよ”

篁は遣唐使に任ぜられましたが、藤原常嗣(ふじわらのつねつぐ)の船が破損したため篁の船と取り換えることになりました。それに腹を立てた篁は仮病を使って乗船せず、遣唐使を侮辱する詩まで書いたために隠岐へ流されることになります。
その時の歌がこれで、流罪になって船出する悲しい歌なのですが、おれは正しいんだとでもいいたいような、力強い意思も込められているような気がします。

こうして読んでいくと百人一首には流罪になった歌人が多いのに気付きます。

崇徳院→讃岐
後鳥羽院→隠岐
順徳院→佐渡
菅家(菅原道真)→筑紫
参議篁→隠岐

前にも取り上げた織田正吉氏の説ではすべて流罪になった後鳥羽院を暗示する意図が定家にあったということです。
定家が百人一首にこめた暗号がますます気になってきました。

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コメント

歌の成立の顛末は別にしても、「告げよ」の一語に作者の強い意志を感じる歌ですよね。百人一首のなかでは、こんな歌は珍しいんじゃあないでしょうか。

投稿: 三友亭主人gatayan | 2009年9月28日 (月) 11時13分

gatayanさん、ありがとうございます。
そうですね、百人一首は恋の歌が多いのでこういう歌は珍しいと思います。

「おきてがみ」のシステムはおもしろいですね。そちらでみかけたので早速貼って見ました。

投稿: kazu | 2009年9月28日 (月) 13時06分

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