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2010年10月10日 (日)

千鳥(源氏物語)

千鳥の和歌を紹介しましたが、この歌のもとになっているのは源氏物語のこの部分です。

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 月いと明うさし入りて、はかなき旅の御座所、奥まで隈なし。床の上に夜深き空も見ゆ。入り方の月影、すごく見ゆるに、

 「ただ是れ西に行くなり」と、ひとりごちたまて、

 「いづ方の雲路に我も迷ひなむ 月の見るらむことも恥づかし」

 とひとりごちたまひて、例のまどろまれぬ暁の空に、千鳥いとあはれに鳴く。

 「友千鳥諸声に鳴く暁は ひとり寝覚の床も頼もし」

 また起きたる人もなければ、返す返すひとりごちて臥したまへり。
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しみじみとしたいいところです。

屋敷の中まで月の光が差し込んで隅まで照らしています。

和歌の意味は

“月はまっすぐ西へ向かうというのに、私はどこへ向かおうとしているのだろうか、月に見られるのも恥ずかしいことだ”

“明け方になく千鳥の声でさえも、一人で寝ている身にはたのもしい”

都では好き放題やっていた源氏も、さびしすぎます。

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