« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »

2012年10月

2012年10月16日 (火)

秋桜

コスモスのきれいな季節になりました。
今日紹介するのは筋ジストロフィーで金沢の医王病院に入院中の詩人、四方健二(よもけんじ)さんの詩です。
四方さんの詩にはいつも感動させられます。

 秋桜
私のベッドに一輪の秋桜が届いた
無機質な空間に秋が届いた
希薄な花びらは真珠色
黄金色に輝く花粉を中心に抱く
花びらを支える萼は太く頑強
あまりにか細い茎
風にゆれる秋桜
風にふかれて右へ左へ
ゆれて
ゆれて
私は秋桜の海に漂っている
おぼろの空には満月が浮かぶ
秋桜の波にもまれ
ただ翻弄されるだけの
私の身体
大きな波が私を呑みこんだ
私は海の底
ゆれる秋桜を見上げている
しばし夢の中
Kosumosu_2
写真はフェイスブック友達の木村美代さんからお借りしました。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年10月 8日 (月)

寒露

今日は二十四節季の寒露、朝露も一段と冷たく感じられ秋も深まって来る頃です。
露というと、源氏物語の有名な場面、紫の上が無くなるところでの和歌のやり取りが浮かびます。

「おくと見るほどぞはかなきともすれば 風に乱るゝ萩の上露」 紫の上
“起きては見ましたが私の命は 風に乱れる萩の上露のようにはかないのです”

「ややもせば消えをあらそふ露の世に 後れ先だつほど経ずもがな」 光源氏
“ともすれば先を争って露のように死んでゆく世の中ですが、私も一緒に死にたいものです”

源氏物語の中でも一番感動的な場面だと思います。
人の命は露のようにはかないという紫式部のメッセージなのでしょうね。

秋はこれから深まっていきます。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »