忍ぶ恋
忍ぶつながりで、平兼盛の歌の前に置かれているのが参議等(さんぎひとし)のこの歌です。(参議等=源等)
「浅茅生(あさぢふの)の小野の篠原しのぶれど あまりてなどか人の恋しき」 参議等
“あなたのことをずっと思い焦がれているのですが、もう耐え忍ぶこともできないくらいになってきました”
ちょっとストーカー的ともとれますが、今のところはまだ思っているだけのようです。
忍ぶといっても忍者のように忍んで行って付きまとっているのではありません。
この歌の前半の部分ですが、
「浅茅生の小野の篠原しのぶとも 人知るらめやいふ人なしに」古今集、よみ人知らず
を本歌としています。
これではほとんどパクリと今では言われそうですが、こういう本歌取りという手法なので、この時代では白紙撤回しろとかいう突っ込みはなかったようです。
しかし半分くらい替えただけで、前の歌とはがらりと変わってまた素晴らしい趣が出てくるところは作者の力量ですね。
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