紀行

2012年7月21日 (土)

高野山

先日の連休を利用して、高野山へ行ってきました。何度か行ったところですが、今回はどっぷり仏教の世界に浸かりたくて、宿坊に泊まることに、高野山には宿坊がいっぱいあり、どこがいいかもわからないので、高野山で修業中の友人に教えてもらい、精進料理がおいしいという一乗院に泊まりました。

料理は精進料理とは思えないくらいおいしく、荘厳な雰囲気の中での朝の勤行や瞑想体験もさせてもらい感動の一泊でした。

できるならば西行法師のように30年ほど高野山で過ごしもののあはれをしみじみと感じてみたくもなりますが、悲しいことに一泊しか留まることはできませんでしたが・・・

「住むことは所がらぞといひながら 高野はもののあはれなるかな」 西行

これは京に住む人に送った歌ですが、「京もいいが高野はもののあはれを感じられるいいところです。」と詠んでいます。

一乗院の庭↓
Niwa

一乗院の広間、襖絵は狩野派だそうです。↓
Hiroma

一乗院の精進料理、3の膳まであります。↓
Ryouri

奥の院、この橋の奥に今も弘法大師様がおられます。↓
Okunoin

根本大塔、中は立体曼荼羅の世界です↓
Daitou

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2012年5月 2日 (水)

うだつの上がる街 美濃

大学の後輩を訪ねて、岐阜県美濃市へ行ってきました。
古い街並みが残るいい街です。
屋根の上に上がっているのが「うだつ」。
写真の酒蔵「小坂酒造場」は国指定重要文化財。ここに後輩の小坂君が住んでいます。実際に文化財に住んでいるのだからすごい!

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ということで、もちろんできたてのお酒を、これがまたおいしい。
立派な庭で、もういいというまで試飲させてもらって、山ほど買って帰りました。
もちろんその日は近くの温泉に泊まりました。

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このタンクの中にはいったいどれだけのお酒が、と考えると・・・

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美濃市はお酒だけではありません、和紙も有名です。
これは和紙のあかりアート

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おとなりの郡上八幡もいい街でした。

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しかし、こんなに飲んでばかりいては一生うだつはあがりません。
でもおいしいものはしょうがない。銘柄は「百春(ひゃくしゅん)」絶対おすすめです。


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2010年6月 4日 (金)

奈良紀行その二

奈良二日目は、明日香村。

犬養万葉記念館
 ↓
奈良県立万葉文化館(平山郁夫展)
 ↓
飛鳥資料館(キトラ古墳壁画公開)

日曜日だったのもあってすごい人出。特にキトラ古墳の壁画は30分待ちという状態でした。
しかし見応えはありました。
白虎・玄武・青龍・朱雀の四神がすべて見られるというのはなかなかないらしく貴重なものを見ることが出来ました。
これが実物かぁ~と思っただけでなにか感動してしまいます。

平山郁夫展もこれだけ一度にならんだのを見たのは初めてでみごとでした。ショップコーナーで平山郁夫の絵ハガキでも買おうかとブラブラしていたら、前にいたおばさんが100万円以上もする絵を買っていった!
唖然として絵葉書を買うのを忘れてしまいました^^;

このすごい人出の中、犬養万葉記念館だけは入場者が数人、待ち時間なしで入れました^^。
落ち着いた館内で犬養先生の万葉集の朗唱を聞いていると万葉集っていいなぁと思います。
明日香村の中では私はここが一番おのお気に入りです。

入口には
「萬葉は青春のいのち」 犬養先生の言葉が石碑に刻まれています。

中庭には
「山吹の立ちよそひたる山清水 汲みに行かめど道の知らなく」 高市皇子
の碑が。

この歌はなかなか奥深い歌で、
十市皇女(とをちのひめみこ) を亡くした高市皇子(たけちのみこ)が、死者が生き返るという黄泉(よみ)の清水を汲みに行こうと思ったが道を知らないので行くことが出来ない、という悲しい歌です。

この碑は犬養先生を追悼してこの記念館に建てられたそうです。

Inukai1 
「萬葉は青春のいのち」

Inukai2
「山吹の立ちよそひたる山清水 汲みに行かめど道の知らなく」

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2010年6月 3日 (木)

奈良紀行その一

平城京遷都千三百年の記念の年ということで奈良を訪ねてきました。あらためて奈良の歴史に感嘆した旅となりました。

まずはメインの平城宮跡へ、大極殿も復元されていてみごとなものです。

「あをによし奈良の都にたなびける 天の白雲見れど飽かぬかも」 作者未詳

すばらしい天候にも恵まれ朱雀門や大極殿の上にまさにこの歌のような白雲が浮かんでいました。

その後は奈良国立博物館での「大遣唐使展」。
吉備真備や阿倍仲麻呂の唐への旅、鑑真の招聘、唐から伝わった仏像等、見どころ満載の展示でした。なかでも唐の仏像と並んで展示されていた薬師寺の聖観音菩薩立像は素晴らしいものでした。

「天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも」 阿倍仲麻呂

唐から帰ることがかなわなかった仲麻呂。さぞ無念だったでしょう。

写真は復元された大極殿です。

Daigokuden

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2009年3月21日 (土)

東京紀行

年に1度くらいは東京に行きます。
東京にも古き良き文化はたくさんあります。

今回訪ねたのは目黒雅叙園の百段階段で開催されている平山郁夫展。
このブログを読んでくださっているサファイヤさんのブログに紹介されており、ぜひと思い行ってみました。
昭和初期の豪華な文化と平山画伯のすばらしい絵がミックスされている不思議な空間でした。となりの超近代的な高層ビルとのアンバランスな感覚も加わって、異次元に迷い込んだような感覚でした。

その後は、東京行きのメインイベントの母校明治学院での会議。
ここにも昭和初期の文化財が。在学中はあまり気にしませんでしたが、こうしてみるといいものが残っています。そのチャペルでの会議の内容はともかく、東京もたまにはいいですね。

目黒雅叙園から白金の学院まで、こんなに遠かったかなぁ、おまけに白金の住宅街で道を間違えてしまいくたくたに^^;

東京へ行ったからにはもちろん秋葉原もウロウロしてきましたが、疲れたけどいい東京行きでした。

サファイアさんのブログ「時空を超えて

写真は目黒雅叙園と明治学院小チャペル

Gazyoen Chapel 

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2008年11月11日 (火)

石山寺(源氏夢回廊)

滋賀県の石山寺へ行ってきました。紫式部ゆかりのお寺で源氏物語にも何度か出てきますね。
髭黒の大将は玉蔓と結婚するために熱心に石山寺に詣でて、見事願いがかないます。

今年は源氏物語千年紀ということで『源氏夢回廊』というイベントをやっていました。

田辺聖子さん訳の源氏物語を紹介してあるコーナー、物語の中の和歌をパネルにして紹介してあるコーナー等、興味深い展示がありました。
源氏物語和歌集というのを売っていましたので思わず買ってしまいました。物語中のすべての和歌と円地文子さんの訳が載っています。これはなかなかいい本です。

境内には源氏物語の和歌のパネルなどが置いてあり、なかなかいい感じです。が・・・

この後、紅葉もきれいな石山寺の境内を散策、本堂の横には源氏の間というのがあり、ここで紫式部が月を見ながらインスピレーションを受け源氏物語を執筆した・・・?・・・とか。中にはなんと紫式部が座っていた・・・?
有名な山門の前には最近の観光地のご他聞にもれず、キャラクターの着ぐるみが・・・おおつ光ルくんという名前だそうです・・・
ムラサキシキブというロボットも今回の目玉だそうです。
映画「千年の恋」で吉永小百合が着た衣装も展示してありました。これはうちのカミさんがすごく喜んでいました。

このイベントでは源氏物語を知らない子供たちも楽しんでいたようでした。
日曜日だったせいか観光客もすごく多く、観光バスでやってきた酒くさいオッチャン達もおおいに楽しんでいたようでした・・・。

石山寺は紫式部の伝説があることから、源氏物語に関する文化財や資料も多く、源氏物語ファンとしては一度は行ってみたかったのですが、今日のブログにはやたらと「が」とか「・・・」とか「?」が多くなってしまいました。

そういえば先日NHKスペシャルでやっていた黄金の源氏物語絵巻も石山寺にあります。

Kairou Tanabe Waka    
夢回廊入り口・田辺聖子文学館・和歌のパネル

Kouyou_2 Kouyou2_2
境内の紅葉

Murasakisikibu_2 Hikaru
源氏の間・光ルくん   

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2008年7月20日 (日)

越前紀行

福井県、越前の方へ出かけてきました。福井の友人に越前そばの店を紹介してもらって行ったのが武生の「蔵の辻」、おいしかったです。そばの後に出てきたのがそば湯と大きな梅干、梅干をそば湯に入れて飲むという初めての体験。これもなかなかおいしかったです。

そば屋を出たところは蔵を利用したギャラリーやお店が並ぶおしゃれな一角になっていて、「源氏物語」というポスターが貼ってあったので、思わずはいると、源氏物語の屏風や百人一首等、おもに江戸時代のものが展示されていて、いいものに出会えました。

その後、近くの紫式部公園にちょっとより、南条の花はす公園へ。ハスは見頃で後ろの山々とマッチしていい眺めでした。

暑い一日でしたが、ひさしぶりに楽しいドライブでした。

Soba_2 Kura_2 Sikibu Hasu

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2008年6月21日 (土)

京都紀行その5(平安神宮)

源氏物語を訪ねる旅の最後は平安神宮です。
平安京の中心というべき大極殿。源氏物語では六条御息所が姫君とともに伊勢へ下向する場面で描かれています。
現在の平安神宮はその大極殿を8分の5のスケールで再現したものだそうです。ということは当時は現在の2倍くらいの規模だったということですから大変なものです。一目見た方はそのすごさがお分かりいただけると思います。神苑もすばらしく花菖蒲も見ごろでした。

Heiankyou Heiankyou3 Heiankyou2_2

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せっかく来たのだからと、おみくじを引いて帰ることに、筒を振ると中から番号の書かれた棒が出てくる。出てきた棒には4番の文字が・・・いやな予感・・・受付の巫女さんに番号を言うと、予想通りの“凶”!

「すべての災いは己の奢りから来るものである。何事も信心するべし、云々」というようなことが書かれていた。失せ物:出ず、病:長引く、商い:損をする、ことごとくひどい。お産:安し、これだけがいい。
まぁ、日頃から調子に乗らず、反省して生活しろということで、いい戒めかなとなっとくした。

しかし、この直後、恐ろしいことが・・・

朝から暑い中歩き続けて、のどはカラカラ、お腹もすいてきたということで、近くのうどん屋に入った。そこで冷たいうどんとビールを注文する。
が、な・なんと 「すいませんビールが冷えてないんです・・・」 それを唯一の楽しみに歩いてきた私は、めまいがしそうだった。なんとかしろと言いたいところだったが、これも神様のお告げかと・・・。

出されてきた、手で持てないほどの熱いお茶で喉をうるおした。

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以上、源氏物語を訪ねた京都の旅はここまでです。もっと行きたいところは沢山ありましたが、お金と体力が持たないので・・・でも十分に源氏物語の世界に浸ることが出来た二日間でした。旅行記にお付き合いいただいたかたありがとうございました。

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2008年6月20日 (金)

京都紀行その4(渉成園)

2日目の最初は渉成園、東本願寺の近くにある庭園です。

光源氏のモデルだったといわれている源融(みなもとのとおる)の六条河原院の一部であったと言われています。

奥州塩釜の景色をそのまま造らせようと海水を運ばせたとか、すごい逸話が残っています。当時はさぞ豪華なものだったのでしょう。

この屋敷も源氏物語に出てくる六条院のモデルだったという話もありますが、実際に行ってみるとそれもうなずけるみごとな庭園です。ここは絶対お勧めです。

例によって百人一首が出てきますが、源融の歌があります。

「陸奥(みちのく)の信夫(しのぶ)もぢずり誰(たれ)ゆゑに 乱れそねにし我ならなくに」河原左大臣

「しのぶもぢずり」というのは福島県に伝わるしのぶ草で染めた染物で、その乱れた模様を自分の心にたとえて、あなたのせいで私の心もみだれているという意味です。光源氏がいいそうなセリフです。

この屋敷も後には荒れ果て、恵慶法師の歌も詠まれます。

「八重葎(やえむぐら)しげれる宿の淋しさに 人こそ見えね秋は来にけり」恵慶法師

百人一首のこの歌は、この屋敷を詠んだもので、八重葎は雑草です。光源氏の栄華もひと時の夢ということでしょうか。

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2008年6月19日 (木)

京都紀行その3(蘆山寺)

源氏物語を訪ねる旅、次は蘆山寺(ろざんじ)。
紫式部が源氏物語を書いたという所です。そんなに大きなお寺ではないのですが桔梗が植えられている庭がいい雰囲気でした。ここで書いたのか、と思うと感慨深いものがありました。

百人一首に入っている紫式部と娘の大弐三位の歌碑がありましたので、ちょっと鑑賞してみましょう。

「めぐり会いて見しやそれと分かぬまに 雲隠れにし夜半の月かげ」紫式部
訳:せっかく会えたのに、よくわからないうちに隠れてしまった月のようにすぐに分かれてしまうのですね。p.s.相手は彼氏ではなくて女友達だったそうです。

「有馬山ゐなのささ原風吹けば いでそよ人を忘れやはする」大弐三位
訳:有馬山から風が吹くとソヨソヨと音がするといいますが、私はあなたのように人を忘れることはありませんよ。
こちらのほうはなかなかやって来ない彼氏に対する皮肉がこもっています。娘の方もなかなかのものです。

この時代、源氏物語の内容とは違ってどうも女性が強いような気がするのですが、私だけかなぁ。

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