百人一首

2018年6月16日 (土)

百人一首暗記

百人一首は全部覚えたつもりだったけど、一首づつ書き出してみると、
結構忘れてる。
ボケ防止のつもりでこんな本を引っぱりだしてきて最初から復習!
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2018年6月 4日 (月)

ほととぎす or かっこう

「ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる」後徳大寺左大臣

百人一首81番、
ほととぎすの声の聞こえるほうをみてみると 明け方の月が見えてる。ただそれだけのことですが、
時代背景は平清盛の全盛時代で都はかなり荒れ果てていたのかもしれません。
作者がほととぎすの声が聞こえて振り返ってみた方向にはどんな風景があったのでしょうか。

荒れ果ててなにもない都に、有明の月だけがきれいに見えていたと想像すると、かなり悲惨なかなしい歌のような気がします。
それで、ほととぎすは幹事で郭公と書きます。
最近、毎朝カッコウの声で目が覚めるのですが、郭公は今はカッコウと読むほうが自然です。パソコンの漢字変換でもかっこうで出てきます。
でも和歌の世界では郭公はホトトギスです。
いつから変わってきたのかはよくわかりません。
とにかく鳴き声からしてもカッコウよりホトトギスのほうがこの歌にはあっているような気がします。

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2018年6月 2日 (土)

百人一首 再読

前の記事からなんと2年以上も放置していました。読んでくださっていた方には本当に申し訳ありません。

最近、百人一首を読み直していて今までとは違った魅力があるのに気づき、しばらく百人一首中心にブログを再開しようと思います。
まずは源実朝
「世の中は常にもがもな渚こぐ あまの小舟の綱出かなしも」

これまでは渚に浮かぶ小舟を眺めて感慨にふけっていたくらいにしか読んでいなかったのですが、この時代の背景を考えてみると動乱の中での一瞬の穏やかさを深く読んでいる素晴らしい歌だなとあらためて思います。
「常にもがもな」というのは、変わらないでいてほしいという意味ですが、実朝は世の中が変わっていくのをひしひしと感じながら読んだのだと思います。
結局暗殺されますが、穏やかな世を望みながらも・・・

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2016年1月27日 (水)

忍ぶ恋 式子内親王

忍ぶ恋つながりで、式子内親王の歌です。

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする」 式子内親王(しょくしないしんのう)

“玉の緒”は魂と体をつないでいる紐みたいなもので、これが切れるということは死ぬことを意味します。
“死ぬのなら死んでもいい、生きていれば耐え忍ぶ心も弱まるだろうから”

なんともすさまじい歌ですね。
やはり女は怖い。前の二人の男とは迫力が違います。

式子内親王は斎宮という身分でもあり結婚することも許されず、藤原定家との噂もあり、悲しい人生を送ったようです。

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2016年1月19日 (火)

忍ぶ恋

忍ぶつながりで、平兼盛の歌の前に置かれているのが参議等(さんぎひとし)のこの歌です。(参議等=源等)

浅茅生(あさぢふの)の小野の篠原しのぶれど あまりてなどか人の恋しき」 参議等

“あなたのことをずっと思い焦がれているのですが、もう耐え忍ぶこともできないくらいになってきました”

ちょっとストーカー的ともとれますが、今のところはまだ思っているだけのようです。
忍ぶといっても忍者のように忍んで行って付きまとっているのではありません。

この歌の前半の部分ですが、

「浅茅生の小野の篠原しのぶとも 人知るらめやいふ人なしに」古今集、よみ人知らず

を本歌としています。
これではほとんどパクリと今では言われそうですが、こういう本歌取りという手法なので、この時代では白紙撤回しろとかいう突っ込みはなかったようです。

しかし半分くらい替えただけで、前の歌とはがらりと変わってまた素晴らしい趣が出てくるところは作者の力量ですね。

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2016年1月15日 (金)

歌合せ

「恋すてふ」と「忍れど」の歌が続いたので、歌合せについて少し書いておきます。
この時の歌合せの様子はかなり詳しく伝わっています。
天徳4年(960年)3月30日、村上天皇の御前での歌合せです。

 平兼盛 「忍れど色に出でにけりわが恋は 物や思ふと人のとふまで」
 壬生忠見 「恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか」

この二首で競うのですが、帝の御前ですからすごいプレッシャーだったでしょう。
どちらの歌も甲乙つけがたく選者も困っていたところ、村上天皇が「忍れど」と口ずさんだ。ということで源兼盛のほうを勝ちとした。
というなんとも怪しい判定です。帝も実は迷っていたが、先に口に出たのがこっちだった。のかも・・・
判定を後から聞いた二人はこの事情を知っていたかどうかは知りませんが、負けた忠見のほうは、この後食事ものどを通らなくなり、死んでしまいます。歌合せも命がけですね。
Gosyo
歌合せが行われた京都御所、清涼殿

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2016年1月11日 (月)

忍ぶれど

前回の記事の壬生忠見と歌合わせの会で争った平兼盛の歌です。

「忍れど色に出でにけりわが恋は 物や思ふと人のとふまで」
“分からぬようにしていた恋なのに 人に聞かれるほど顔に出てしまったよ”

百人一首ではこの二つの歌が続けて取り上げられています。
兼盛のほうは身分も高く余裕はあったと思われますが、忠見は身分も低く命がけだったのですね。
私はどうしても忠見の「恋すてふ」のほうを応援してしまいますが・・・

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2011年11月10日 (木)

ちはやふる

競技かるたを題材にしたアニメ「ちはやふる」というのが人気らしいです。Gyaoでも何話か見られるので見てみましたが少女マンガが原作にしては結構面白い。おじさんが見ても楽しめます。
百人一首や平安時代好きな女子を雅美女というようですが、カルタ好きな女子は「かるたガール」とでもいうのでしょうか?そういえば最近「囲碁ガール」というのが急増しているらしいのですが、私の周りでは残念ながら囲碁オヤジしか見かけませんね・・・

おっと、いつのまにか話が囲碁ガールにいってしまいましたが今日の和歌は「ちはやふる」でした。

普通は「ちはやぶる」といいますが、このアニメでは「ちはやふる」です。

「ちはやぶる神代もきかず龍田川 からくれなゐに水くくるとは」
在原業平朝臣(ありわらのなりひらのあそん)
(ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれないに みずくくるとは)

百人一首の在原業平の歌ですが、ちょっと意味はややこしいですね。
『ちはやぶる』は神代にかかる枕詞。『からくれない』は当から伝わった染料『唐紅』。『みずくくる』はみずが染め上げられたという意味です。

「竜田川に流れているきれいな落ち葉は、唐紅に染め上げたようだ。こんな美しい光景は神代の時代からも聞いたことがない!」 訳してみるとこんな感じ。

この歌は結構好きな歌です。龍田川は見たことはありませんが情景が目に浮かぶようです。
写真は昨日の金沢市中央公園付近。

Siyakusyo


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2011年10月 1日 (土)

大江千里

秋は感傷的になります。
今日も奇麗な月が見えました。今回も百人一首からです。

「月見れば千々に物こそ悲しけれ 我が身ひとつの秋にはあらねど」 大江千里

“秋の月を見ているといろいろなことが物悲しく思える 秋は私にだけくるのではない、誰の所にも来ているはず。悲しいのは私だけではないのか?”

上の句はわかりやすいのですが、下の句の『我が身ひとつの』の部分はどう訳せばいいのか難しいですね。皆さんならどう訳しますか?

実は大江千里(おおえのちさと)のことを私はずっと女性だと思っていました。なんとなく女性的で感傷的な和歌ですよね。名前も「ちさと」だし^^;

たまには月を見て感傷的になるのもいいものです。

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2011年9月25日 (日)

源 実朝

「世の中は常にもがもななぎさ漕ぐ 海士の小舟の綱手かなしも」

(よのなかは つねに もがもな なぎさこぐ あまの おぶねの つなでかなしも)

最近はこういうしっとりとした歌が心に響きます。この歌はちょっととっつきにくかったのですが、最近になってだんだんよさがわかってきたような気がします。百人一首の中でも一番いいのではと思うようになってきました。

源実朝は源頼朝と北条政子の間に生まれ鎌倉幕府の三代将軍として激動の中で生きています。そのあまりにも急変する世の中を常に変わらないものであってほしいと願うのがこの歌です。

『もがもな』は変わらないでほしい。
『あま』(海士)は漁師。
『つなで』(綱手)は小舟をひく綱。

あえて訳しませんが、常に変わらないでほしいと願う心と、目の前の漁師が小舟で揺られている風景があるだけです。

私も50代になってなにか分かるような気がするのですが、実朝は26歳で暗殺されています。戦乱の中で短い人生をいき和歌を愛した実朝に共感できるこのごろです。

写真は松任の海岸、
最後に松任CCZ温泉に入って夕日を眺めて連休は終わりです。

「世の中は常にもがもな・・・」

Sanetomo


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