2012年11月21日 (水)

紅葉 菅原道真

北陸に住んでいると、
この時期にたまにいいお天気だと嬉しくなりますね。

「このたびは幣もとりあえず手向山 紅葉の錦 神のまにまに」 菅家、百人一首
(このたびはぬさもとりあえずたむけやま もみじのにしきかみのまにまに)

百人一首から菅原道真(菅家)の歌です。
ちょっと読みにくいですが紅葉の歌でははずせません。
大好きな歌です。

道真が帝の行幸に同行した時に歌った歌です。

この度とこの旅をかけています。
幣(ぬさ)は神様に捧げる色とりどりの紙、今は神主さんがバサッバサッとやっている白いやつ。

“この旅にはあいにく神にささげる幣を持ってきていません。かわりにこの手向山の見事な紅葉を捧げましょう。神の御心のままに。”

写真は金沢城の石垣といもり堀です。

Imori

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月13日 (木)

秋の田

稲刈りの季節。田んぼも秋の風情です。

「秋の田のかりほの庵のとまをあらみ わがころもでは露にぬれつゝ」天智天皇、百人一首

有名な百人一首の第一番です。
天皇が粗末な庵に入っていて、袖がぬれているなんてことはあるはずがないのですが、庶民の苦労をねぎらったいい歌ですね。

うちの裏の田んぼも稲刈りがかなりすすんでいます。

Tanbo


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月10日 (月)

松虫

ようやく秋の気配も色濃くなってきました。
夜になれば虫の声も聞こえてきます。

新古今集から式子内親王(しょくしないしんのう)の歌です。

「跡(あと)もなき庭の浅茅(あさじ)にむすぼほれ 露のそこなる松虫の声」 式子内親王、新古今集

“人が訪れた跡もない、生い茂った浅茅の露の下から松虫の声が・・・”
という寂しい歌なのですが、そこは式子内親王なので、どことなく『忍ぶる恋』の香がただよっていまして、
実は男に見捨てられた女が露(涙)に濡れながら、待っている(松にかけてある)。という意味が込められています。

『忍ぶる恋』を歌わせたら右に出る人はいません、藤原定家との結ばれぬ恋もうわさされていますが・・・

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2011年10月29日 (土)

落ち葉

今日もさわやかな天気で自転車通勤。といっても5分くらいで着いてしまうのですが、その途中の散歩道はなかなか風情があります。

Kouyou

和歌は古今集からよみ人しらずです。

「秋は来ぬ紅葉は宿に降りしきぬ 道踏み分けて訪ふ人はなし」 よみ人しらず

(あきはきぬもみじはやどにふりしきぬ みちふみわけてとふひとはなし)

訳す必要はないでしょうが、落ち葉を踏み分けて来る人はないという、さびしい風景をうたっています。

うちの近所の散歩道もほとんど人が通らないさびしいところです。
でも四季おりおりに風情があり,ちなみに桜の散るころはこんな感じでした。

Sakura


| | コメント (5) | トラックバック (0)

2011年10月10日 (月)

秋風の

体育の日らしくさわやかな日になりました。
せっかくの体育の日なのでということで今日は自転車通勤です。

秋はどうしても感傷的になってしまいますが、今回は万葉集からさわやかな和歌を紹介します。

「秋風の吹きただよはす白雲は 織女の天つ領巾かも」 作者不詳
(あきかぜのふきただよはすしらくもは たなばたつめのあまつひれかも)

『天つ領巾(あまつひれ)』は天女の羽衣(はごろも)です。
“秋風が吹きただよはしている白雲は 七夕の織姫の羽衣のようだ”

単純な内容なのですが、いかにも万葉調のすがすがしい歌です。

写真は窓から外を写しただけですが、

Kumo


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月21日 (日)

秋の風その弐

すっかり秋の気配になってしまって、今日の金沢はお昼でも23度。数日前の猛暑はどうなってしまったのでしょう。

秋の風の和歌をもう一つ、百人一首からです。

「白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける」 文屋朝康(ふんやのあさやす)

玉は真珠や宝石で、穴をあけ糸をとしてネックレスやブレスレットみたいにしていたんでしょうね。
“秋風の中、草の上できれいに光っているのは、糸をとおしていない宝石のようだ”

雨に濡れた草をこんなふうに見る感性を持ちたいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月19日 (金)

秋の風

涼しくなりましたねー、今朝はセミの鳴き声は聞こえずコオロギが鳴いていたくらいです。
裏の川からは涼しい風が入ってきます。これで猛暑も一段落でしょうか。

「川風のすずしくもあるかうち寄する 波とともにや秋は立つらむ」 紀貫之、古今集

この歌は訳すまでもないですね。川からの涼しい風と共に秋がやってくるという、単純ですがいい歌です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月 8日 (月)

立秋

今日は立秋、暦の上では今日から秋ということなのですが、この暑さは残暑と言っていいのか考えてしまいます。温暖化で日本の気候も最近は亜熱帯に近くなっているそうですが、千年前のこの時代どういう気候だったのでしょうか。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」  藤原敏行

まだ夏真っ盛りという感じですが、古今集には立秋に詠んだとはっきり書いてありますので・・・、
しかしこの和歌は名歌ですね。この表現すばらしいとおもいます。
“秋が来たとははっきりとは感じることはできないが、吹く風の音にはどこか秋の気配が感じられはっとさせられる時があるものだ”

気持ちだけでも今日から秋と感じたいですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月25日 (木)

落ち葉

赤く色づいた木々も葉が落ち始め、秋が深まってきたなぁ・・・という感じですね。

今日紹介する和歌は、百人一首から。

吉野の山では秋も深まり、衣を打つ音が寒々と響いているという歌です。

「み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣うつなり」 参議雅経(さんぎまさつね)

『衣うつなり』の部分は布を打つ砧の音をあらわしています。
『砧』というのはよく知らないのですが、昔は布のしわを伸ばしたりつやを出したりするのに叩いて仕上げたようですね。その音がさびしく響いていたのだと思います。

写真は数日前に撮った金沢市役所近辺の様子です。
落ち葉も散り、秋も深まってきました。

1

2

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年11月 9日 (火)

もみじと鹿

昔からもみじに鹿はつきもののようですが、先日ドライブに行ったときです。
手取川ダム付近のトンネルを通過したとき崖のほうから大きなカモシカが駆け下りてきて道路を横切りました。
急ブレーキでなんとかぶつからずに済みましたが、心臓が止まるほどビックリしました。

ということで

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ運転注意!

猿丸大夫さんの歌をちょっとお借りしました。
それにしても大きな鹿でした・・・

| | コメント (2) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧